日本人のためのがん予防法
科学的な根拠があり、現状で日本人に推薦できると考えられるがん予防法を、国立がんセンターの研究班が「日本人のためのがん予防法」としてインターネットで公開している。
研究の進展に伴い内容を更新することにしており、今年9月の改訂で、中高年女性が目標とすべき体格指数(BMI)を「19~25」から「21~25」に改めた。中高年男性は従来通り21~27。
BMIは体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値で、22が標準、25以上は肥満とされる。日本人を対象とした大規模研究で、肥満だけでなく痩せ過ぎもがんのリスク上げることが示されたのを踏まえた。
6項目にまとめられた予防法は驚くような新しさはないが、見落としがちなこともありそう。
例えば、熱い飲食物は冷まして食べる。食道の炎症やがんにつながる可能性がある。
また、B型、C型肝炎ウイルスの検査を受けたことがない人は、一度は検査を受けるよう勧めている。感染者は非感染者に比べ発がんリスクが非常に高い上、早く感染が分かれば、がんを防ぐ効果が期待できる治療法の開発も進んでいるためだ。感染していたら肝臓の専門医に相談しよう。
たばこを吸わずに他人の煙も避ける。飲酒はアルコール量換算で1日23グラム(ビール大瓶1本)程度までが適量とした。運動は、歩行やそれ以上の活動を1日60分程度。
各項目の詳しい解説や、がん予防について内外の研究でどこまであきらかになったかは「がん情報サービス」(http://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention)で読める。
国立がん研究センターによる 日本人のためのがん予防法
①たばこを吸わない。他人の煙をできるだけ避ける
②飲酒するなら1日当たりビール大瓶1本程度まで
③食事はバランスよく、食塩摂取は最小限に。野菜果物不足を防ぐ。熱い飲食物は冷まして
④日常生活を活動的に。歩行やそれ以上の活動を1日60分
⑤適正な体重管理。中高年男性はBMI21~27、同女性は21~25に
⑥一度は肝炎ウイルス検査を。感染していたら専門医に相談