血管性認知症

血管性認知症とは、「脳血管障害」を基盤として起こる認知症の総称です。
認知症の症状があり、症状や画像検査で脳血管障害が確認され、両者に因果関係が認められる場合に、血管性認知症と診断されます。

脳血管障害にはいろいろな病気が含まれますが、その中心となるのは「脳卒中」です。脳卒中は、脳血管が破れて出血する「脳出血」「くも膜下(くもまくか)出血」と、脳血管が詰まって起こる「脳梗塞」の3タイプに分類されます。
脳梗塞はさらに、その起こり方によって「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心源性脳塞栓」に分類されます。
脳卒中を起こした人すべてに認知症が現れるわけではありませんが、脳卒中を起こした人は認知症を発症しやすくなります。脳卒中は認知症の重大な危険因子なのです。

血管性認知症の起こりやすさは、年齢によって異なります。脳卒中を起こした人を対象にした調査によると、認知機能が低下している人の数は、70歳台で最も多くなり、次いで80歳台、60歳台、90歳台の順でした。しかし、各年代
ごとに、認知機能が低下している人の割合を調べると、高齢になるほどその割合が多くなることがわかりました。

高齢になるほど「認知予備能」は低下するとされており、そのために脳卒中から認知症を発症しやすくなるのかもしれません。また、高齢になるほど、2回、3回と脳卒中を再発する可能性も高くなるので、それが影響しているとも
考えられます。

この調査では、脳卒中タイプ別に、認知機能が低下した人の割合も調べています。それによると、脳出血では約41%,くも膜下出血では約22%,脳梗塞では36%でした。くも膜下出血は平均発症年齢が比較的若い事もあって、認知症に
つながる人は少ない傾向にあります。

血管性認知症は、認知症の原因となる病気の中で、「アルツハイマー病」に次いで多いとされています。アルツハイマー病と脳梗塞が重なると認知機能はさらに低下します。