骨折の連鎖 断つ

月1回飲む新製剤も発売
足の付け根で起きる大腿骨(だいたいこつ)近位部骨折は高齢者に多く、人口の
高齢化で増え続けている。年間の患者は、現在の20万人弱から30年後には30万人
を超えるとみられている。

骨量が減ってスカスカになり、骨折しやすくなる骨粗鬆症が背景にある。
萩野浩鳥取大医学部教授は「大腿骨近位部骨折は寝たきりになりやすく、生存率
を大きく低下させる」と都内で開かれたセミナーで語った。

足の付け根を骨折すると再び骨折を起こす危険は4倍になる。しかし萩野教授らが、
大腿骨近位部骨折を起こした65歳以上の女性約2300人に対して骨折から1年後の
治療状況を調べたところ、「治療なし」が半数以上、「薬物治療あり」は19%に
とどまっていた。

骨折の連鎖を断つには病院や診療所、地域が連携し治療継続を促すネットワーク
が必要という。骨粗しょう症には多様な薬が使える。中でも、骨吸収を阻害する
ビスホスホネート剤のリセドロネートは世界中で広く普及し、大腿骨近位ぶ骨折
を防ぐ効果が実証されている。それを月1回飲めばよい新製剤が承認されて2月末
に発売された。

この薬は日本で2002年に先ずまず1日1回の薬として登場した。07年に週1回製剤
が出て、今回月1回製剤がそろった。成分量が1日1回製剤の30倍で、国内の臨床
結果では、有効性や安全性は1日1回製剤とほぼ同程度だった。月に1回飲むビス
ホスホネート剤としては2種類目となる。

萩野教授は「月1回飲むだけなら、利便性が高く、続けやすい。ライフスタイル
に合わせて、1日1回から週1回、月1回まで最適な製剤を選べる」と評価している。