「スギ」に新治療法

花粉症は今や「国民病」といわれ、そのシーズンがくると憂鬱になる人も多い。長い期間をかけた新たな治療法や、すぐに取り組める家での対策などを紹介する。

環境省などによると、今季のスギ花粉は早い地域で2月上旬から飛び始め、飛散量は東日本で多く、西日本で少ない“西低東高”の見込みという。

花粉症には、くしゃみや鼻水などを抑える「抗ヒスタミン薬」やステロイド薬などの対症療法が一般的だ。
スギ花粉症に対しては「舌下減感作療法」が注目されている。花粉のエキスを舌の下に垂らして徐々に花粉への過敏性を減らしていく治療法で、12歳以上を対象とした「シダトレンスギ花粉舌下液」が2014年に発売され、医師の処方により自宅でも可能になった。
JCHO東京新宿メディカルセンターの石井正則耳鼻咽喉科部長は「毎日1回、3~5年間、服用する必要があり、根気が要ります。スギ花粉症にのみ有効ですが、症状の緩和や根治が期待できる」と話す。

注意点は①治療は花粉飛散時期を避け6~12月に始める②開始時に強い副作用が出ないかなど医療機関で治療への適性を調べる―など。口内に違和感を覚える人もいるので慎重な対応が必要だ。
ただ、あくまでも症状が出たら「まず病院で検査を受けて、適切な治療を受けてほしい」と石井部長。カビなど、スギ花粉以外の物質が原因なのに、スギ花粉症と思い込んで誤った対処をしている人も多いという。

家庭ではどんな対策ができるだろう。「花王生活者研究センター」によると、花粉が室内に入る経路は、換気による「侵入」が約6割、衣服などへの付着による「持ち込み」が約4割を占める。
窓を開けて換気をする場合は、レースカーテンを閉めたまま開け幅を10センチ程度に狭めるだけで侵入を約7割減らせる。持ち込みを減らすためには、洗濯物や布団を取り込む際に手でしっかりと払い、布団に掃除機をかけるとよい。花粉を舞い上げず除去するためには、濡れ雑巾などによる拭き掃除が効果的という。「花粉はハウスダストにも紛れ込みやすいので、飛散時期は特にこまめに掃除、洗濯をしてほしい」と同センターは呼び掛ける。

北海道や沖縄県のほか花粉が比較的少ない地域もある。最近はこうした場所に滞在する“避粉地ツアー”も。長崎県平戸市の的山大島では、NPO法人などが「島の体験型観光&スギ花粉症避粉地セラピーツアー」を2007年度から毎年開催している。スギ林は島面積の1%程度でスギ花粉はかなり少ないという。

花粉症シーズンの掃除と洗濯のポイント
・換気の際はカーテンを閉め窓は細めに開ける
・床に落ちた花粉には、ぬれ拭き掃除が効果的
・外干しした洗濯物は、払ってから取り込む
・外干しした布団は払ってから取り込み、掃除機をかける
・衣類はこまめに洗濯。柔軟剤を使うと花粉が付きにくい